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竹は、自らの死期を悟ると花を咲かす。 その花が散る頃、また自らも一斉に朽ち果て、 朽ちた茎や葉を苗床に、また芽吹く。 ふと目を覚ますと、美也は何故か月明かりの中にいた。 柔らかいものが自分の下に在る。 何か強烈な違和感があった。 ありえない何かがあった。 ・・・何故違和感があるのか、 すぐに思い当たった。 ・・・何故か屋外に寝転んでいたのである。 では自分の下にある柔らかいものは布団ではありえないだろう。 何故自分は、こんな時分に屋外で寝転んでいるのだろう? ふと、疑問に感じて、身動きしてみた。 途端に襲い来る強烈な痛み。 一瞬顔をしかめ、 そして自らを襲った悪夢のような出来事が思い出された。 その日、美也は、久しぶりに浴衣に身を包んで 祭りに出た。 浴衣は、母が着せてくれた。 「まだ寒いんじゃないかしら?」と笑いつつも、 「友達も着るんだから!!」と言い張って、 浴衣を着込み、祭りの宮の階段で友達を待っていた。 その宮の階段の横は、昼なお薄暗き竹林だったが、 小さい頃からずっとここで遊んでいた美也にとって なじみの深いものであった。 よく友達とかくれんぼして遊んでいたし、 宮の好意によって春先は筍狩りをさせてくれた。 ままごとしたり、一度竹の皮で 母がおにぎりを包んでくれて、遠足に持っていくと、 他の子が羨んだものだった。 ほんのり竹の香りがするおにぎりはとても美味しかった。 そこでまさかあんな出来事があろうとは。 最初は何かが自分の首を絞めたのだと思った。 すぐに自分が羽交い絞めにされて、 竹林の中に引きずられていくのだと判った。 本能的な恐怖が美也を襲った。 もがいてみたが、しょせん17の小娘の力は、 空を切るばかり、 羽交い絞めにされて、 祭囃子も遠い竹林の真ん中あたりまで引きずりこまれた美也は、 そこで初めて、自分を引きずったモノを見た。 最初はものすごい酒の匂いで、気持ちが悪くなった。 ついで、口臭。 タバコの臭い。 自分を見下ろす、4人ばかりの人影が見えた。 何かの間違いだと思った。 だから、何事かと聞こうと思った。 「何!!」 ・・・するんですか?と聞こうと思った口をいきなり塞がれた。 塞がれたので思いっきり塞いだものを噛み付いた。 すると、いきなり平手打ちされた。 また噛み付かないように、自分の口の中に何か柔らかいものが押し込められる。 目の端に映るビンクの色は、 自分の浴衣の帯だとわかる。 いきなり前をはだかれた。 羞恥心で暴れると、 今度は手を戒められた。 足で蹴り上げようともがくと、 次は足を戒められた。 それから先は悪夢のようだった。 強烈な痛みが、足の付け根を襲う。 まるで引き裂かれるような、 無理矢理に何かを埋め込まれるかのような。 そんな痛みが気の遠くなるほど繰り返される。 男達がうごめく度に、何度も繰り返される痛みと苦しみ。 何かを叫んでいるようだけど、ひとつも聞き取れないまま、 そのまま美也はゆっくりと意識を閉じた。 |
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